淡々とした筆致に込められた 静かなる情念の物語
癌で余命一年を宣告された男のために泣く女たち…表題作「泣く女」を含む著者初の短編集。
「日の柱」「科挙」の寓話的な物語から、「ごっとん」チャメ(真桑瓜)」「嫌韓派」では在日コリアンの実状が描かれ、「ブナの森」「祈り」「泣く女」では、主人公たちの人生の断片が著者特有の筆致で淡々と綴られる。他、全書き下ろし十二作品による、読後、心に残る珠玉の短編集。
李 起昇(イ・キスン)
1952年山口県、下関に在日2世として生まれる。母親は日本人。
福岡大学在学中より小説家を目指す。
韓国への留学、民団中央本部勤務を経て、1985年「ゼロはん」で群像新人賞を受賞。
同年公認会計士試験に合格し、その後、会計士の仕事に携わる傍ら、新作小説の発表を続ける。
妻は韓国舞踊の人間国宝の履修者でもある趙 寿玉(チョウ・スオク)
■製品仕様
著者:李 起昇
発売日:2021年3月8日
判型:四六判
総ページ数:280
定価:1,760円(税別)
発行:フィールドワイ
発売:メディアパル
ISBN:978-4-8021-3238-1
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